Thought is put into the snow.

結局勢いに任せて書いちゃいましたよ、雪がテーマの悲恋もの!
タイトルを日本語訳すると『雪に想いを込めて』ってところですかね。
単発のホワイトデー妄想駄文で、物語は友理奈視点で展開します。
なんで3月なのに雪が降るんだ!って感じですが・・・読んでいただければ幸いです。







Thought is put into the snow.





ちょうど1ヶ月前、あたしは『天使』にチョコを渡した。
別に『天使』って呼び名に、深い意味はないよ?
ただ楽屋でみんなに笑顔を振り撒く姿が、白くてきめ細かい肌が天使を思わせるから、思いつきでそう呼んでみただけ。
実際には『ももち』って呼んでる。
そんな彼女の名は嗣永桃子
はしゃぐときは最年少の梨沙子よりもうるさいけど、さすがはBerryz工房の最高学年。
メンバーの様子を常にチェックしていて、何か異変を感じるとすぐに行動。


そんな姿に憧れを抱いていたんだけど・・・気づいたら好きになっていた。
それも、目が合うたびに胸が高鳴って、手が触れると思わず跳びあがりそうになるくらいに・・・。
そんなこんなでさっきも言った通り、バレンタインにチョコを渡した。
とはいっても『友チョコ』としてだけど。
今のあたしには、本命チョコを渡して想いをぶつけられるほどの勇気はない。
それに・・・毎日彼女を目で追っているから、なんとなく分かるんだ。


ももちが好きなのはあたしなんかじゃないって。





「あ、雪だ。」



ふいに聞こえる、誰かの呟き。
それを聞いて口々に騒ぎ始めるメンバー達。
そして・・・12月にももちと交わした言葉を思い出すあたし。









「ねぇ、みや。雪は・・・なんで降るんだろうね。」


「雪?そんなの決まってんじゃん。寒いからでしょ。」


誰に聞いても『寒いから』って答えしか返ってこなかった、特に意味のない問い。
でも、彼女だけは違った。





「ねぇ、ももち。雪は・・・なんで降るんだろうね。」


「雪?うーん・・・。普通に考えれば、寒いからかなぁ。」


「まぁ、そうだよね・・・うん。」


「でもね、桃はそれだけじゃないと思うんだぁ。もしかしたら・・・誰かの愛を伝えるために降ってたりして♪その方がなんとなくロマンチックだし。」




そんなことをさらりと言って、にっこりと微笑んだ彼女。
3ヶ月も前のことなのに、未だにその時の笑顔が頭から離れない・・・。







「ねぇ友理、雪だよ雪!3月にもなって雪が降るなんてびっくりだよね〜。」


「わっ!いつの間にそこにいたの?」


突然声をかけられたからめちゃくちゃ動揺しちゃったよ。
あたしかっこ悪いなぁ・・・。


「ずっと隣にいたよ?友理が気づいてなかっただけで。まぁ、それはともかく・・・『雪は誰かの愛を伝えるために降る』っていうのはあながち間違いじゃないのかもね!こんな時期に、それもホワイトデーに降るなんてさ。この雪は誰から誰へのメッセージなのかなぁ。」


「ふふっ、大好きな誰かさんからももちへだったりして〜。」


あたしは知ってるよ。
その誰かさんも、1ヶ月くらい前からももちのことが好きだって。
わざと意地の悪い笑みを浮かべて、誰かさんの方を示すと・・・ももちの顔はみるみるうちに真っ赤になった。



「そっ、そんなわけないじゃない!っていうか何で桃の好きな人を知ってるの?!」


「さぁ、どうしてでしょうねぇ?あ、あたしジュース買ってくるね〜。」



依然として赤いまんまのももちを残して楽屋を出たけど、ジュースを買いに行くってのは嘘。
エレベーターに乗ってあたしが向かったのは・・・屋上。
なんでか知らないけどここの鍵はいつも空いてるから、一人になるには最高の場所なんだよね。
寒いのが唯一の欠点ってところかな。




フェンスに寄りかかって空を見上げると、曇り空から雪が舞い降りてくる。
真っ白で純粋な雪。
もし雪が本当に愛を伝えてくれるのなら、きっとこれはももちの大好きなあの子からのものなんだろうな。






「それでも、あたしはももちが幸せならそれでいい。ももちの笑顔が見られること、それがあたしの幸せだから・・・。」





白くなって空へ消えていく言葉と、静かに頬を伝う涙が切なかった。



                               【完】



はいっ!駄文ですねー!!
友理奈何歳だよって感じです。
卒業しても3月中は小学生だっていうのに、生意気にも愛する人の幸せを願っちゃってますから。
ありえな〜い!