プレイガール☆雅ちゃん 【後編】
昨日の続きです♪
「ねぇ、ちぃ聞いた?そこにいるんでしょ?」
恐ろしい言葉を聞いて硬直していると、ドアがゆっくりと開いて、申し訳なさそうに千奈美が姿を現した。
桃の方を見ると、まだ寝ぼけている熊井ちゃんを引きずって楽屋を出ようとしている。
激励のダブルウインクと『頑張れ!』という口パク。
気持ちは嬉しいんだけど・・・置いてかないでよ!
ガンッ
あ、熊井ちゃんの頭ぶつけた!
「う〜ん・・・ももち、痛い・・・。乱暴に扱わないでよ・・・。」
「いつまでも寝こけてるくまいちょーがいけないんでしょ!ほら、大事な場面なんだから、行くよ!」
あちゃー、完璧尻に敷かれちゃってる・・・。
千奈美の方に視線を戻すと、本当に悪いと思っているみたいで、ちっちゃくなってた。
「みや、ごめんね・・・。楽屋に入ろうと思ったら、結構重要っぽい話してたから外で待ってたんだけど・・・聞こえちゃった。」
「全部・・・聞いてたの?」
「う、うん。ほとんど全部。」
焦った感じでどもる千奈美。
全部聞いてたんなら、話が早いや。
「それなら、うちの気持ちはもう知ってるんだね。千奈美・・・大好き。」
たった6文字での告白。
それを聞いた途端、千奈美はぺたんと床に座ってしまった。
足の力が抜けちゃったのかな?
顔は真っ赤だし。
「み、みやぁ・・・。」
も、もしかして・・・
「ちっ、千奈美!熱!熱でもあるんじゃないの?!」
「へっ?!」
「顔赤いしさぁ・・・大丈夫?」
千奈美をそっと引き寄せて、おでこをくっつけてみたけど・・・特に異常なし。
よかったぁ・・・。
「ねぇ、みや・・・ちょっと近くない?これ・・・。」
「え?」
気がつけば、千奈美との距離はXセンチ。
顔を見ても焦点が合わないくらいに、近い。
「うわっ!」
思わず後ずさりすると、数分前に桃が見せたような『意地の悪い笑み』をした千奈美と目が合った。
「みや、顔赤いよ♪あれだけ近かったんだから、ささっとキスのひとつでもしちゃえばよかったのにぃ・・・。いつもの『プレイガール☆雅ちゃん』はどこ行っちゃったの?』
「え、えーと・・・」
『千奈美は特別な人だから恥ずかしくて出来ない』なんて言えないし・・・。
何か手ごろな話題は・・・あっ!
「ねぇ千奈美、そんなことよりさっきの返事は?」
「さっきの返事って?」
「告白だよ、こ・く・は・く!もしかして忘れてたの?」
「そっ、そんなわけないでしょ!みやは千奈美の記憶力を疑ってるの?!」
「そんなことないって!」
*********************************
結局、こんな調子ではっきりと返事を聞くことは出来なかったけど・・・次こそ「好き」って言わせてやるんだから!
とりあえずそれまでに、ポーカーフェイスで千奈美の目をみつめられるようにならなくっちゃね・・・。
【END】
と、まぁ・・・こんな感じです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
一応、カップル成立ってことで許してください。(汗)
くまいちょーには思いっきり、雅にはちょこっと『へたれ』になってもらいました。(笑)
最後の方の展開が急すぎるのが個人的に不満なんですが・・・ま、仕方ないっすね。
実力がついたら、手直ししたいと思います。