滑り込みセーフ!!!

ま、間に合った・・・。
クリスマス妄想駄文。
もちろんカプはゆりももですw



きれいなイルミネーションに彩られた木々が立ち並ぶ駅前。
あたしは1時間前からここに立ってる。
自分から誘ったくせに・・・いったい友理は何してるんだろ?





The warmth of your hand...





事の発端は11月。
桃が「イブが近くなって浮き足立つなんてくだらない」的発言をしたら、友理が桃と遊びたいとか言い出したの。
別に断る理由も無いからOK出したら、昨日友理から電話がかかってきて夜6時に駅前の大きなツリーのところで待ち合わせってことになった。
それなのにいざ当日になってみたら、7時になっても友理は現れなくて・・・。


いくらコート着てマフラーつけてたって、外に1時間も突っ立ってたら体が冷えるのは当然のことだし、手袋を忘れて剥き出しの指先は真っ赤になってもはや感覚が無い。
ケータイは家に置いてきちゃったから連絡をとることは出来ないし。

あまりにも暇だから、と空を仰ぎ見ればそこにはため息が出るほど美しい星空が広がっていて、なんともやりきれない気分。




「友理のばぁーか」



なんとなく悔しくなってそう呟くけれど、その言葉は何の意味もなさないままこの空間に解けて消えてしまう。



「友理のばか・・・」



俯いて再び呟いたら、突然後ろからふわりと何かに包み込まれるような、そんな感覚がした。


後ろから回された腕。


背中から伝わる暖かさ。


そして、耳元で繰り返される、荒く細かい呼吸。




「ももち、遅れてごめんね。」


「友理・・・」


「自分から誘ったのに、ももちのことこんなに体が冷え切るまで待たせるなんて最低だよね・・・あたし。」



肩越しに聞こえる、申し訳なさそうな友理の声。
顔は見えないけど、きっと眉毛が下がりきった情けない顔してるんだろうなぁ。



「ねぇ友理ぃ、180度回転したいんだけど。」


「へ?」


「せっかく来てくれたのに、桃まだ友理の顔見てないんだもん。もう我慢の限界〜。」


「え、あぁ・・・うん。」



回された腕が解かれると同時にくるりと向き直って、フ抜けた顔の友理のほっぺをつまむ。



「ももひ、いはいほ〜(ももち、痛いよ〜)」


「こんなに手冷えちゃったぁ。ね、あっためて?」


「はいはい。じゃ、行こっか。」





照れ笑いを浮かべながら、それでもしっかりと握ってくれる友理。


友理の手って大きくてあったかいから、すごく安心するんだ。


この先もずーっとこの手を握っていられますように・・・。




                            【END】