ゆりもも学園パラレル
書きあがりました〜♪
6月なので、第2話です。*1
ここから先はカップリング要素満載なので、苦手な方は自主避難してください。
責任は取りませんのであしからず。
では、平気な方は『続きを読む』からどうぞ!
辛くなったら支えてあげる
だから無理はしなくていいよ
他の人の前で強がっていたって構わない
でもせめて、あたしの前では弱さを見せて・・・
第2話 涙雨
「中2の7月に付き合い始めたから、今月で11ヶ月だよね・・・あたし達。」
桃子は佐紀に呼び出され、学校の屋上に来ていた。
長い沈黙の後、下を向いてポツポツと話し始める佐紀。
顔に髪がかかっているため、その表情を窺い知ることは出来ない。
「クラスが同じだったからって朝も休み時間も放課後もずーっと一緒にいて毎日が幸せだったし、2月から生徒会長になったけど、それでも何も変わらないと思ってた。・・・分かったつもりになってたんだよね。ずっと一緒にいたから。『忙しい、忙しい』って桃のこと見もしないで『こう思ってるはず』って勝手に決め付けて・・・。ホント、自分が嫌になるよ。」
佐紀が何を言いたいのか、全く分からなかった。
いや、違う。
本当は分かってる。
この後どんな言葉が続くのかも分かってはいるけど・・・その続きは聞きたくないよ・・・。
「桃・・・別れよう。このままじゃ桃のためにならないから。桃のこと今でも大好きだけど、好きだからこそ別れて欲しい。」
長い長い2度目の沈黙を破ったのは、聖母のような笑みを浮かべた桃子だった。
「いいよ、別れても。佐紀がそうしたいんなら。」
嘘。
別れたくなんかない。
でも・・・拒否すれば大好きな佐紀を困らせることになる。
佐紀も辛いんだよね?
そうでしょ?
「桃、ありがとう。あたしのせいで辛い思いさせちゃってごめんね。」
長いこと桃子を見てきた佐紀には分かっていた。
彼女が優しく微笑んでいるとき、それは無理をして笑顔を作っているときであると。
そして・・・そうせざるを得ない状況を作り出した今の自分には、どうすることも出来ないということも。
「あーぁ、雨降りそうだね。」
「え?突然どうしたの?雨なんて・・・」
「降りそうだよ。・・・ばいばい、キャプテン。好きでいさせてくれてありがと。これからもずっといいお友達でいてね!」
足早に去る桃子に声をかけることも出来ず、悄然とした様子で立ち尽くす佐紀。
コンクリートに残ったひとつの染みは、降り始めた雨にかき消されて姿を消した。
□□□
「佐紀・・・」
傘を差す気にもなれず、豪雨の中をおぼつかない足取りで歩く。
辛くて、悲しくて。
全てを投げ出したかった。
どれくらい彷徨っていたのだろう。
ふと前を見ると、『熊井』という表札がかかった家があった。
「熊井・・・って友理の家かな。」
確証は何もない。
にも関わらず、いつの間にか立っていた『熊井さんち』のインターフォンに何の躊躇いもなく手を伸ばしていた。
間違ってたら謝ればいいや・・・。
『はい、熊井です。どちら様でしょうか?』
あ、友理だ・・・。
「ねぇ友理、桃だよ。ちょっと通りかかったから来ちゃった。」
『え、ももち?!ちょっと待ってて、すぐ開けるから!!』
バタバタと音が聞こえる。
きっと友理のことだから部屋でも片付けてるんだろうな・・・。
「お待たせ〜♪・・・え?ももち、なんでそんなびしょ濡れなの?!傘は?」
「あははっ。傘忘れてきちゃったぁ。」
ももちが突然家に来た。
びしょ濡れで、傘を忘れたと笑っていた。
でも、いつもの笑顔と何かが違った。
髪から、服から、雫が落ちてゆく・・・。
「・・・何かあったんでしょ?ちょうどお風呂沸いてるから入っておいでよ。風邪引いたら大変だし!あたし部屋で待ってるから。」
「あーぁ、バレちゃったかぁ。2ヶ月しか一緒にいないのにすごいね、友理は。」
「何言ってるの?2ヶ月も一緒にいるんだから、ももちのこと分かって当然でしょ。」
驚いた様子であたしを見上げるももちの目は、心なしか潤んでいるように見えた。
「ありがと。お風呂借りるね。」
どうしてそんなに悲しそうに笑うの?
どうして自分の気持ちを隠そうとするの?
弱々しく笑った彼女はすぐに壊れてしまいそうで、あたしの心をかき乱す・・・。
【To be continued】
はいっ。
ワケ分からんですね、申し訳ない!
自分でも納得いってないんですが、完璧なものにしようとするとあと2ヶ月くらいかかりそうなのでUPしちゃいました。(笑)
感想等いただけるとありがたいです。
【視点について】
分かりにくかったとは思いますが、最初の『辛くなったら〜弱さを見せて・・・』は友理奈。
タイトルの後から『あははっ。傘忘れてきちゃったぁ。』までが桃子。
その後は最後まで友理奈となっています。
<追記>
あ、あと・・・これは週末に起こった出来事という設定です。
</追記>
*1:4月、6月、8月・・・と2ヶ月に1話のペースで書こうと思っているので。